古代ギリシアの歴史家。（前484頃ー420以前）ローマの弁論家であるキケロにより「歴史の父」と称賛されている
ヘロドトスは小アジアのドーリス地方のハリカルナッソス家に生まれる。僭主リグダミス打倒の末に破れ、サモア島に亡命。その後研究調査の旅に出た。各地でその研究の成果を口演し、前445年頃にアテネを訪れ前443年に南イタリアにおけるアテネの植民地トゥリオイの建設に携わった。そして、その地で市民権を得て死んだ考えられている。
ヘロドトスは各地での目撃、伝聞、文献などに基づく探究の成果（ヒストリア）を書きため、アッティカ方言と詩語を交えたイオニア語を用いて、『歴史（ヒストリアイ）』を全9巻にまとめ上げた。本書では、西方のギリシア人と東方のバルバロイの抗争を伝説時代から小アジアのギリシア人を支配し、本土のギリシア人と友好関係を結んだ最初のバルバロイの王国であるリディアの盛衰とこれを滅ぼしたペルシアの発展の軌跡を辿り、この帝国に対して蜂起したイオニア反乱を経て、ペルシアの大遠征軍を迎えてギリシア軍が勝利したペルシア戦争の経過を、前479年まで記述している。最後の章では物語が完結したかどうかについて議論されている。
藍尚禮、他(1994)『日本大百科全書』,小学館.
世界史の窓（2021年7月7日閲覧）
