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新期造山帯

新期造山帯

中生代末から新生代にかけて、造山運動を受けて形成された山地・山脈が分布する地帯のこと

特徴

新期造山帯では現在でも、地殻変動が起こっており、高く険しい山地が多く、火山活動や地震が絶えない。それにより自然災害が多く発生している地域もある。また、海洋では島嶼を形成することが多い。そして、プレートの「狭まる境界」と一致している。
新期造山帯はユーラシア大陸の南部を東西にはしる「アルプス=ヒマラヤ造山帯」と太平洋に円を描くように連なっている「環太平洋造山帯」の2つに分けることができる。

アルプス=ヒマラヤ造山帯

西側は主にアフリカプレート、アラビアプレート、ユーラシアプレートの衝突によって形成されたアルプス造山帯、東側は主にインド・オーストラリアプレート、ユーラシアプレートの衝突によって形成されたヒマラヤ造山帯が分布している。そして、これらのプレートの境界には褶曲山脈が展開してる。また、褶曲山脈が分布している地域には原油の埋蔵量が多く、ペルシア湾周辺には世界の半数以上の石油が眠っていると言われている。

環太平洋造山帯

太平洋の西側ではアリューシャン・千鳥・日本・フィリピン・ニューギニア・ニュージーランドと続く弧状列島に火山や島嶼が多い。東側では、アラスカ・ロッキー山脈・シエラマドレ山脈・西インド諸島・アンデス山脈・パタゴニア・南極大陸太平洋岸に至る地域で高峻な山地が広がる。
分布の多くが沈み込み型が多い。海溝に並行して火山列があるため、海溝型地震が多い。海溝型地震の震央は海洋にある場合が多いため、地震発生によって巨大津波も発生しやすいため警戒する必要がある。(1960年チリ地震、2011年東日本大震災、2004年スマトラ沖地震など)
また、アンデス山脈付近では銅鉱がよく産出する。そのため、チリは世界最大の銅鉱の産出国として有名である。

参考文献

宮路秀作,2019年,『目からウロコの なるほど地理講義』,学研プラス
野澤伸平,2019年,『地理学用語集第2版A・B共用』,株式会社山川出版社
金田章裕、他の12名,2019年,『地理B』,東京書籍株式会社
片山博文、他9名,2019年,『新詳地理B』,株式会社帝国書院
帝国書院編集部,2017年,『新詳地理資料COMPLETE2017』株式会社帝国書院
九州高等学校地理教育研究会、他,2017年,『新地理要点ノート』,株式会社啓隆社
村瀬哲史,2018,『村瀬のゼロからわかる地理B 系統地理編』,株式会社学研プラス

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